人類滅亡はまだっすか!?

滅亡大好きで、大爆発とジェノサイドに異常殺人も大好きな非モテが綴る絶望の誰得ブログ

<a href="http://ameblo.jp/endof/entry-11165470083.html">「七十歳死亡法案、可決」!</a>

七十歳死亡法案、可決/垣谷 美雨
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素晴らしいタイトルの本なので、つい本屋でジャケ買いしてしまいました。

先日、どうにもたちゆかない日本の状況を考えると姥捨山しかないよね、というエントリーをアップしましたが、まさにそうした考えを反映させたようなタイトルと内容です。

冒頭は2020年のとある週刊誌の報道記事です。

日本国籍を有する七十歳以上の国民は誕生日から30日以内に死ななければいけない」という七十歳死亡法案が可決され、施行まであと2年・・・・。

そのとき、日本の癌となっている高齢者を一気に2000万人なくすことができ、翌年からも数百万人が死んでいく。

死には数種類の安楽死が用意され、高齢者はそれを選ぶことができる。

こうして浮いた年金や莫大な医療費を若い世代に使うのだ。

・・・・と、こんな法案が通ってしまうのは何故か?

そこは、日本が立ち行かなくなり、金もばらまくことができなくなり、ついに行動型の40代の首相が与党の圧倒的な数を背景に通した、ということ。

この首相は、まるで橋本市長のいま唱えているような方策を実際に実現します。

公務員を削減し、各種手当も削減、天下り全面禁止、不要法人の廃止、そして国会議員の削減では衆院廃止。

つまり、これまでの日本の政党がマニフェストに掲げながら実行できなかったことをまず断行し、そしてそれでもどうにもならない高齢者の福祉問題を解決するために法をぶちあげたというわけです。

むろん、世界からも非難が相次ぐかと思いきや、韓国や中国は黙視。

特に中国は今後、日本とは比にならない人数の高齢者が、ひとりっこ政策で少なくなった若者が支えることに成るわけで、モデルケースとして注目しているという。。。

世界も同じような問題を抱えているわけです。

で、当の国民の間でも、賛成する若者と反対する老人にわかれて大論争に発展していきます。

寝たきりの介護に疲れる家族が軸となって物語が進みますが、世代別にさまざまです。

あと2年で死ぬならそれも良い、と考える老人もいるし、介護する側は「あと2年のガマン」と考える。

そして、さっさと財産を生前分与してもらって、若くない自分に残された十数年を充実させたい。。。

そう、50代の人間にとっては、身体はまだ元気だし、子供も大きくなったことで自由な時間を持つことが

可能になってくる。

そう考えて早期退職して、家族との暮らしを選ぶものも出てくるのです。

しかし、物語はあくまで施行前。

これがキモです。

自分は滅亡基地外なので、家族が軸に話しが進むよりは政局の戦い、社会的なうねり、そして市民の間でもう2年が待ちきれないよ、ヒャッホーと老人殺しが相次ぎ、そして阿鼻叫喚の安楽死地獄へという展開を期待していたんですけどね。

この本で不気味なのは、橋本タイプの首相の断行を予言しているところでもあります。

それは物語の設定を成立させるために必要ではあるのですが、現在の流れを観ているとなかなか興味深いです。

この小説では首相が議員たちをひとりずつ、辛口司会者との討論に引きずりだすTV番組の活用で議員のバカっぷり、無能さをさらけ出し、特に専門をもたない衆院議員の無駄さを露呈することで廃院に結びつけるさまが描かれます。

橋本さんは頭の回転も早く口がたち、メディア映え、視聴者受けする言葉を即座に選ぶ人としてしられていますが、TVの利用法を熟知しているとも言えるでしょう。

そんな情勢を見据えている部分もある小説と言えます。

一読をお勧めします。

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