<a href="http://ameblo.jp/endof/entry-10276452333.html">地球の気圧低下で、地球生命の寿命が13億年延びる?</a>
今日も太陽に関連するネタです。
太陽は、数十億年という長期スパンでは今後、光度を増していき、地球は蒸し焼き状態になると予測されます。
そうなると、地球上に生命は存在できなくなるだろう、というのが定説です。
あと10億年もたてば、地球は高温地獄で生命の存在しない星になるといわれています。
今回発表された研究によると、これまで考慮されてこなかった、地球の気圧変動によって、この寿命が延びるという仮説です。
気圧は温室効果ガスが吸収する赤外線量を左右する要素だそうで、気圧が上がると吸収量が増えて気温も上昇するそうです。逆に気圧が低下すると気温が下がるとか。
この気圧変動のカギを握っているのは、窒素を固定する微生物かもしれないということです。
ともあれ、気圧が将来、低下するならば従来の予測より地球が蒸し焼きになる期間が先延りあと23億年は大丈夫ではないか、ということに。
63億年後には膨張を始めた太陽に呑み込まれて消滅してしまうので、そこで地球はオシマイです。
生物による気圧変動は長期スパンで見る必要があるということですが、過去の気圧がどう変わってきたのかを調べることで大絶滅の謎や、氷河期・温暖化の訪れた理由の解明、そしてこれからの予測にも役立つかもしれませんね。
温暖化では大型のハリケーン発生が予測されますが、いってみれば大型の低気圧がバコバコ発生するわけで、地球がバランスをとろうとして低気圧を発生させているようにも思えてきます。
-----------------------------------
「地球生命の寿命」13億年延びる?:「熱くなる太陽」と地球の気圧
http://wiredvision.jp/news/200906/2009060423.html 2009年6月 4日
Alexis Madrigal
太陽は今後数億十年にわたってその光度を増し続けていき、やがて地球は高温になりすぎて生命の存在できない惑星になる、と予想されている。従来の計算では、その時期を今から約10億年後と見積もっていた。
しかしこのほど、地球上にはあと23億年の間、生命が存在できるかもしれないとする研究が発表された――これまでの予測を10億年以上[そして2倍近く]上回る数字だ。
[太陽は、誕生から現在までに30%ほど明るさを増してきたと推測されている。今後も太陽は光度を増し続け、約63億年後には現在の2倍ほど明るくなる(この時点で膨張を開始して赤色巨星の段階に入る)と予想されている] 今回の研究は、生命存続期間の推定に関して、従来のモデルが考慮してこなかった要素があると主張している。それは、天文学的な時間の尺度において、惑星の気温制御に気圧が果たす役割だ。
カリフォルニア工科大学のKing Fai Li氏らが発表した仮説によると、地球の大気圧は一定ではなく変動しており、遠い将来、今より低い気圧になっていたとしたら、従来予測されていたよりはるかに長い間、地球は太陽の熱に焼き尽くされずにすむという。
この新たな仮説が正しく、また、生物圏を有する他の惑星にも当てはまるものなら、それら惑星に生物が存在可能な期間も、従来考えられていた割合の2倍ということになり、われわれ人類が地球外生命体を発見する可能性も高まることになる。
「地球は太陽の全寿命の半分近くの間、生命の存在する惑星であり続けることになる。これは、太陽系外惑星の生命を探索する上で考慮すべき重要な点だ」と、研究チームは『米国科学アカデミー紀要』(PNAS)オンライン版に[6月1日(米国時間)に]発表した論文の中で述べている。
気圧は、温室効果ガスの総体的影響を考える上で重要な変数だ。それは、温室効果ガスが吸収する赤外線の量を気圧が左右するためで、気圧が上がると吸収量が増え、その結果、気温が上昇する。反対に、気圧が下がると気温も下がる。
こうした気温変動のメカニズムとなっているのは、生命の存在それ自体かもしれない。微生物は窒素の「固定」を行なっており、空気中から窒素原子を取り出し、やがてそれを海底に移動させることで、地球の大気を少しずつ軽くしている可能性があるのだ。
[窒素固定とは、空気中に多量に存在する安定な(不活性)窒素分子を、反応性の高い他の窒素化合物(アンモニア、硝酸塩、二酸化窒素など)に変換するプロセスをいう。自然界での窒素固定は、いくつかの真正細菌と一部の古細菌によって行なわれる。また、窒素を人工的に固定する方法も開発され、化学肥料などの工業プロセスに使用されている。化学肥料は現在の地球生態系で最大の窒素固定源になっている。窒素汚染問題を紹介する日本語版記事はこちら]
このように、重要な役割を果たしている可能性があるにもかかわらず、気圧は遠い過去までさかのぼって調査されていない。これは今回の予測が、実際には多くの不確定要素をはらんでいることを意味している。
今後、研究が大きく一歩前進するとすれば、それはワシントン大学の宇宙生物学者Roger Buick氏の研究室によってもたらされるだろう、とLi氏は話す。Buick氏の研究室では、気圧を遠い過去までさかのぼって計測しようと試みているのだ。
Buick氏は、オーストラリア北西部で27億年前の玄武岩を発見しており、これらが当時の気圧の痕跡を残しているとみている。玄武岩の気泡を調べることで、当時の気圧が現在と異なっていたかどうかが分かるかもしれないのだ。
火山噴出物の気泡の大きさによって、噴火が起こった地点の標高を特定することは、よく知られた科学的手法だ。気泡が小さいと標高は低く、気泡が大きいと標高は高い。この玄武岩に関しては、Buick氏はその他の証拠から、海抜ゼロ地点で形成されたことを突き止めており、その場合気泡のサイズは、標高ではなく気圧を知る手がかりになる。
「海抜ゼロ地点で噴出された玄武岩だということが分かっている場合は、それを太古の高度計ではなく、太古の気圧計として使うことができる」と同氏は語る。「過去の気圧が現在とかなり違う場合、それが大きかろうと小さかろうと、かなりの説明が必要になるだろう」
Li氏の研究チームは、Buick氏がもたらすデータによって、生物の活動が地球の大気の重さに変化を与えている、という自分たちの仮説が正しいかどうかがわかると考えている。
「もし本当に気圧が変動しているのなら、それを可能にしているメカニズムとしてわれわれに考えられるのは、地球の生命圏そのものしかない」とLi氏は語った。
なおLi氏は今回の研究について、人間の文明が起こしている気候変動についてのモデルには影響しないだろうと述べている。「生態系が気候を制御しているとしても、そのタイムスケールはかなり異なるものだ」
{この翻訳は抄訳です} [日本語版:ガリレオ-高橋朋子/合原弘子]